研究

獣医放射線学研究室では、伴侶動物(犬と猫)のがんの研究を行っています。獣医療の進歩に伴い、伴侶動物の寿命が伸びるにつれて、人と同様がんに罹患する率が増加しています。伴侶動物の死亡原因のトップとなって久しいですが、私たち獣医師は未だ十分にがんと立ち向かえていません。

私たちががんに立ち向かうためには、より効果的な(早期)診断法や治療法が必要です。これらを新しく確立するためには基礎研究が不可欠です。つまり、がんの発生や進行メカニズムを分子レベルで理解し、実験室で明らかとなった知見を臨床現場に応用することがとても重要です。一方、私たちは本学附属獣医臨床センターにおいても、がんに罹患した犬と猫の診療を行っております。臨床現場で分からなかったこと、果たせなかったことを実験室に持ち帰り、次の研究に生かすことも可能です。

このように、実験室と臨床現場を密接にリンクさせ、私たちの行っている研究を実験室レベルでとどまらせるのではなく、最終的に臨床現場に還元することを目標に、日々活動を行っています。ただし、私たちだけでは十分に研究を進めていくことは困難であり、近隣の二次診療施設と連携し、サンプル提供などの協力をいただきながら研究しています。

当研究室では、現在以下の研究テーマを勧めています。

松山担当

猫の乳腺癌の新規がん遺伝子の同定と機能解析

 

野口担当

犬メラノーマの新規治療法の開発

犬扁平上皮癌の進行メカニズムの解明と新規治療法の開発

犬脳腫瘍の新規診断マーカーの開発