学術情報

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獣医学専攻大学院演習

日時:令和3年1月29日(金)13:00〜

Zoomによるオンライン発表会

(Zoom会議の情報はメールにて案内します)

 

13:00〜13:40<獣医環境科学特別演習B(ミニレビュー)>

演題:腸オルガノイドの腸管感染性ウイルス研究への応用

 

演者: 西谷巧太(獣医微生物学教室)

 

 

13:40〜14:20<獣医臨床科学特別研究F(中間発表)>

演題:子牛における寄生虫性腸炎の現状と対策および糞便微生物移植による治療の

試み

 

演者: 清水 優(獣医内科学教室)

獣医学専攻集談会

死体に尋ねる、五億年と一万年

遠藤 秀紀 教授 東京大学総合研究博物館

日時:2021 年 2 月 19 日(金)16:00〜18:00

Zoom での講演会

いつのころから、命を生かしているからだの中身を知りたいと思うようになった。当然、話し相手 の死体は、数分前まで呼吸をしたり心臓を動かしたりしていたものたちだ。命あった死体を石ころや 瀬戸物と同列には捉えない私だが、放っておくと困ったことに無口なのである。だから、執着心をも って、今日も私は死体に尋ねる。

一方、触知ということばがある。字の通り、触って知る、ということだ。私の仕事はあえていえば、 死体相手に、触って知ることである。歴史学者や考古学者が遺跡を掘り古刹を訪ね古文書を解読する ように、私は死体に指先で触る。もちろん眼で覗きこむことも少なくないが、多くの場合、発見を知 る最初の武器は指だ。運が良ければ、その指が人類が気づいていない事実を初めてつかむ。定量性が 手法にまで及んで、生身の人間が発見の場に不在なのが現代科学の常識だが、この学で最初に発見を 知るのは、私の五感だ。

実験や分析の手法でけっして再現できない時間軸に、私は比較と総合とで対峙している。触知され るのは「事実」であるとともに、「時間」だ。まずは五億年を触知しよう。アリクイやパンダやキリ ンやアザラシに登場してもらおうか。ついでに、ヒトも対象として忘れないことにしたい。ざっと五 億年が、進化が見渡す時間である。他方、家畜家禽が気になって仕方ない私でもある。家畜の時間は、 イヌだけもう少し古いかもしれないが、当座一万年としておこう。一万年の触知の相手は、名も無い インドシナのニワトリだったり、日本人には馴染みのない欧州の古いウシだったりする。五億年の方 は自然淘汰の帰結として、からだの無理矢理の適応史を見せてくれる。他方、一万年が見せるのは、 人間の動機や欲を映す鏡としてのからだだろうか。

今日は、研究でいうところの、結果をなるべく放置してお喋りしてみたいと思う。学者遠藤がのた うちまわる苦悩の世界が、できれば若い人々の心に何か火花を散らしてくれたら幸いに思う。そうい えば、若者が集う獣医学は、ここのところ真理の探究を忘れてしまったように見える。残念だ。博物 学の歴史の希薄なこの国で、獣医学は、畜産学や林学や水産学と並んで Zoology や Botany の肩代わ りをしてきたのだが、そんな歴史に意識を深めなかった私たちは、さっさと Natural History を置き 忘れ、獣医学のかなりの部分を、市場原理経済かそれを支える実学技術か潔癖症気味のルールへの迎 合に委ねたのだろう。真理を追い、生命を論じ、哲学のために闘うよりも、洒落て整頓された安楽の 日々を求めたのだろう。資格教育だかカリキュラムだかを見ていると、まさにそれが見える。残念だ。 探究無きところに知も学も存在しない。そんなこともちょっと憂鬱な、2021 年である。

連絡先:獣医外科学教室
秋吉秀保(内線 3207) Email:akiyoshi@vet.osakafu-u.ac.jp

獣医学専攻大学院演習

日時:令和2年12月17日(木)13:00〜

Zoomによるオンライン発表会

(Zoom会議の情報はメールにて案内します)

 

13:00〜13:40<獣医臨床科学特別演習B(ミニレビュー)>

演題:幹細胞から作製した小腸および大腸オルガノイドの特性とその応用

 

演者: 塚本雅也(細胞病態学教室)

 

 

13:40〜14:20<獣医臨床科学特別演習B(ミニレビュー)>

演題:糞便微生物移植の獣医療における利用と展望

 

演者:清水 優(獣医内科学教室)

 

 

14:20〜15:00<獣医臨床科学特別研究F(中間発表)>

演題:犬における生体内組織形成術によるシート状生体材料の作製と応用

 

演者:飯盛安真(獣医外科学教室)

 

獣医学専攻大学院演習

日時:令和2年11月18日(水)13:00〜

Zoomによるオンライン発表会

(Zoom会議の情報はメールにて案内します)

 

13:00〜13:40<動物構造機能学特別研究F(中間発表)>

演題:ラット実験モデルを用いた食餌性鉄過剰による慢性肝疾患の病態修飾に関する病理学的研究

 

演者:新 真智(獣医病理学教室)

 

獣医学専攻大学院演習

日時:令和2年10月20日(火)13:00〜

Zoomによるオンライン発表会

(Zoom会議の情報はメールにて案内します)

 

13:00〜13:40<動物構造機能学特別演習B(ミニレビュー)>

演題:線毛病(Ciliopathy)における水頭症と上衣細胞の関係

 

演者:小西静香(獣医病理学教室)

 

 

13:40〜14:20<獣医臨床科学特別研究F(中間発表)>

演題:ネコ科動物種の保存に向けた体外受精における新技術の活用に関する研究

 

演者:辻本恭典(細胞病態学教室)

獣医学専攻オープンセミナー2020年度(3)

日時:2020年9月10日(木)16:30−18:00

場所:りんくうキャンパス2F第2講義室(Second lecture room)

 

「ボツリヌス菌から学ぶ;ボツリヌス毒素の巧妙な体内侵入機構」

Learning from Clostridium botulinum; the ingenious strategy of botulinum toxin to enter the body

 

藤永由佳子

Dr. Yukako Fujinaga

 

金沢大学 医薬保健研究域 医学系 細菌学、教授

Professor. Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University

 

細菌毒素であるボツリヌス神経毒素は、生物毒の中でもっとも毒性が強いものとして知られており、ボツリヌス症を引き起こす。ヒトにおける主な病型である食餌性ボツリヌス症と乳児ボツリヌス症では、本毒素が腸管から吸収されて、血中に移行し、末梢神経に到達することで発症する。本神経毒素は、数種類の無毒性タンパク質(無毒成分)と複合体を形成した状態でボツリヌス菌から産生される。我々はこれまでに無毒成分が持つユニークな機能により神経毒素が消化管から体内へ侵入することを世界に先駆けて明らかにしてきた1,2)。さらに、乳児ボツリヌス症の病態形成機構の解析、新規ヒト型抗毒素抗体の開発3)、無毒成分の持つE-cadherin特異的阻害活性をiPS細胞などの培養技術に応用する研究なども行っている。本セミナーでは、これらの研究および今後の展開について紹介したい。

 

  1. Sugawara Y, Matsumura T, Takegahara Y, et al. (2010) Botulinum hemagglutinin disrupts the intercellular epithelial barrier by directly binding E-cadherin. J Cell Biol 189: 691-700.
  2. Matsumura T, Sugawara Y, Yutani M, et al. (2015) Botulinum toxin A complex exploits intestinal M cells to enter the host and exert neurotoxicity. Nat Commun 6: 6255.
  3. Matsumura T., Amatsu S., Misaki R., et al. (2020) Fully Human Monoclonal Antibodies Effectively Neutralizing Botulinum Neurotoxin Serotype B. Toxins 12, 302.

 

連絡先:生命環境科学研究科獣医国際防疫学教室

山崎伸二(内線2546)E-mail: shinji@vet.osakafu-u.ac.jp

Professor. Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University

獣医学専攻オープンセミナー2020年度(2)

日時:2020年8月13日(木)16:30−18:00

場所:りんくうキャンパス2F第2講義室(Second lecture room)

 

豚心内膜炎から分離された無莢膜の豚レンサ球菌

Unencapsulated Streptococcus suis isolates from swine endocarditis

 

関崎 勉

Prof. Dr. Tsutomu Sekizaki

 

東京大学農学生命科学研究科附属食の安全研究センター センター長、教授

Director General, Research Center for Food Safety, The University of Tokyo

 

Streptococcus suisは豚に髄膜炎などを起す他,ヒトにも髄膜炎や劇症型感染症を起す。S. suisの莢膜は,宿主食菌作用に抵抗する重要な病原因子であり,無莢膜菌は動物には無毒である。しかし,豚の心内膜炎病変部には有莢膜菌と無莢膜菌が共存し,無莢膜菌は例外なく莢膜合成遺伝子群内に突然変異がある。同一豚由来の複数の無莢膜菌で異なる変異もある。ゲノム配列比較から,同一豚由来の複数の株が最も近縁で,次いで同じ農場由来の株が近縁だったことから,無莢膜菌は感染後に豚体内で出現したことが分った。また莢膜合成遺伝子領域と全ゲノム上の変異において,同一豚由来株内で異なる変異がみられ,その変異率は通常と同等だった。無莢膜菌は,有莢膜菌に比べ血小板への付着能が亢進していることから,心内膜炎病変部では,無莢膜菌による血小板接着性が繊維素の蓄積を進め,それが無莢膜菌を守り,そこに存在できたと推測した。

 

 

連絡先:生命環境科学研究科獣医国際防疫学教室

山崎伸二(内線2546)E-mail: shinji@vet.osakafu-u.ac.jp

獣医学専攻大学院演習

日時:令和2年8月21日(金)13:00〜

Zoomによるオンライン発表会

(Zoom会議の情報はメールにて案内します)

 

13:00〜13:40<獣医臨床科学特別演習B(ミニレビュー)>

演題:間葉系幹細胞とMuse細胞を用いた再生医療について

 

演者:三谷康介(細胞病態学教室)

 

 

13:40〜14:20<獣医環境科学特別研究F(中間発表)>

演題:Molecular mechanism of toxic action of C. Perfringens NetB toxin on avian and mammalian cells

 

演者:AKM Azharul Islam(獣医感染症学教室)

 

獣医学専攻大学院演習

日時:令和2年6月24日(水)13:00〜

Zoomによるオンライン発表会

(Zoom会議の情報はメールにて案内します)

 

13:00〜13:40<動物構造機能学特別演習B(ミニレビュー)>

演題:肝発がんモデルを用いた腸内細菌叢の腫瘍促進作用とプロバイオティクス治療の可能性

 

演者:新 真智(獣医病理学教室)

 

13:40〜14:20<獣医臨床科学特別演習B(ミニレビュー)>

演題:顕微授精技術の確立と発展

 

演者:辻本恭典(細胞病態学教室)

 

獣医学専攻オープンセミナー2019年度(4)

日時:2020年2月3日(月)16:15−17:45

場所:りんくうキャンパス2F第1講義室(First lecture room)

 

「ワンヘルスの視点から薬剤耐性菌の問題を考える」

Thinking about the issue of antimicrobial resistance from a perspective of One-Health

 

秋庭 正人、Masato Akiba

 

農研機構動物衛生研究部門 研究推進部 部長

National Institute of Animal Health, National Agriculture and Food Research Organization

 

分布率が増加する薬剤耐性菌に対して何の対策も取らない場合、2050年には世界で1000万人が死亡すると推定され、現在のがんによる死亡者数を超えるといわれている。このような状況下、我が国においても薬剤耐性対策アクションプランが策定され、2020年度までに医療分野のみならず家畜衛生分野でも達成すべき数値目標などが示されている。人の薬剤耐性菌の問題を家畜と結びつけた報告としては、1969年に英国議会に提出された、いわゆる「スワンレポート」が有名である。この報告では、家畜の生産現場において抗菌剤使用により選択された薬剤耐性菌が畜産物を介して人に到達し、健康被害を及ぼす可能性が指摘されている。以来、家畜における薬剤耐性菌の問題については多くの調査・研究が行われてきたが、近年は人と家畜のみならず、伴侶動物、野生動物、環境なども含めて分野横断的に問題解決に取り組むワンヘルスアプローチによる取り組みが注目を集めている。我々はこれまで医学、獣医学、環境化学、ゲノム微生物学の専門家を結集して国内外で薬剤耐性菌の研究を展開してきた。抗菌剤の使用量が多く、ある種のカルバペネム系抗菌剤耐性遺伝子の発祥地としても知られるインドにおいては病院排水が環境の薬剤耐性菌汚染に寄与していることや、重要な薬剤耐性遺伝子を載せた類似の遺伝的背景を有するプラスミドがインド国内の広い範囲で分離できることなどを明らかにした。国内では養豚場の抗菌剤使用量を把握するとともに、使用された抗菌剤の環境中での消長、薬剤耐性菌の分布率、抗菌剤の使用を中止した後の分布率の変化等を調べている。本講義ではこれらの成績の一部を紹介する。

 

連絡先:生命環境科学研究科獣医国際防疫学教室

山崎伸二(内線2546)E-mail: shinji@vet.osakafu-u.ac.jp

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