教授 杉浦 喜久弥

SUGIURA Kikuya

所属:獣医臨床科学分野・先端病態解析学講座・細胞病態学教室

 

学位  医学博士
最終学歴  山口大学大学院農学研究科修士課程
専門分野  免疫学・血液学
学部担当授業科目 獣医血液病学、獣医臨床病理学、内科学実習
大学院担当授業科目  先端病態解析学特別講義A
オフィスアワー  金曜日(12:00〜13:00) <りんくう・C412>
メールアドレス  sugiura@vet.osakafu-u.ac.jp
ウェブサイト  http://www.vet.osakafu-u.ac.jp/cell/

 

研究紹介

 

  1. 樹状細胞を用いた腫瘍に対する免疫治療法の研究:樹状細胞は、抗原をTリンパ球に提示し、免疫反応を開始および賦活する細胞で、近年、培養によっ て血液中の単球などから樹状細胞へ分化誘導する方法が、ヒトやマウスで発達してきました。この生体外で育てた樹状細胞に腫瘍抗原を提示させ、生体内に戻す ことによって、腫瘍に対する免疫反応を賦活し、腫瘍を治療する試みがヒトでも行われ、副作用のほとんどない安全な治療法として注目されています。しかしな がら治療効果が低く、これまでに満足のいく成果が得られていません。この問題を解決するため、インターフェロン(INF)γな どの腫瘍免疫を高めるサイトカインを樹状細胞とともにイヌに自然発生した腫瘍に対して用いたところ、図に示すような完全退宿などの良好な結果が得られるよ うになりました(下図:論文1参照)。イヌには、乳がん、リンパ腫、骨肉腫などヒトの癌に類似する腫瘍の自然発生が多くみられることから、イヌにおける治 療成果は,ヒトの癌治療へ信頼性の高い情報を提供できるものと考えます。現在、効果確認のために治療症例を増やすとともに、サイトカイン遺伝子を癌細胞に 導入することによって、サイトカインの産生を腫瘍組織内に限局させ,全身への影響を軽減する、より効果的で安全な治療法を開発中です。
    sugiura_fig
  2. 臨床応用をめざしたイヌ造血機構の研究:すべての血液細胞は、造血幹細胞が増殖および分化することによって作られます。これまでにマウスを用いた研究に よって、白血病などの血液疾患のみでなく、自己免疫病などの免疫疾患も造血幹細胞の異常によって引き起こされることが明らかなってきました。マウスおよび ヒトでは、造血幹細胞や造血前駆細胞は、表面抗原に対する抗体によって同定、分離が可能ですが、イヌでは、そのような抗体が無いため、研究が進んでいませ ん。。そこで、イヌにおける血液・免疫疾患の病態解明をめざし、イヌ造血前駆細胞の同定、分離を行うためのモノクローナル抗体の作製を行っています(特開 2007-244268)。
    sugiura_fig2

 

 

キーワード

樹状細胞,癌免疫治療、サイトカイン、造血機構,造血幹細胞

 

主な著書・論文

  1. Mito K.*, Sugiura K.*, Ueda K., Hori T., Akazawa T., Yamate J., Nakagawa H., Hatoya S., Inaba M., Inoue N., Ikehara S., Inaba T. 2010 IFNγ markedly cooperates with intratumoral dendritic cell vaccine in dog tumor models. Cancer Res. 70:7093-7101.
  2. Sugiura K., Wijewardana V., Fujimoto M., Akazawa T., Yahata M., Mito K., Hatoya S., Inoue N., Inaba T. 2010 Effect of IL-12 on canine dendritic cell maturation following differentiation induced by granulocyte-macrophage CSF and IL-4.Vet. Immunol. Immunopathol.137: 322-326.
  3. Sugiura K., Akazawa T., Fujimoto M., Wijewardana V., Mito K., Hatoya S., Taketani S., Komori M., Inoue N., Inaba T. 2008. Construction of an expression vector for improved secretion of canine IL-18. Vet. Immunol. Immunopathol. 126: 388-391.
  4. Sugiura K., Taketani S., Yoshimura T., Nishino T., Nishino N., Fujisawa J., Hisha T., Inaba T., Ikehara S. 2007. Effect of hepatocyte growth factor on long term hematopoiesis of human progenitor cells in transgenic-sever combined immunodeficiency mice. Cytokine 37: 218-26.
  5. Wijewardana V*., Sugiura K.*, Oichi T., Fujimoto M., Akazawa T., Hatoya S., Inaba M., Ikehara S., Thotawaththege S.P. J, Inaba T. 2006. Generation of canine dendritic cells from peripheral blood monocytes without using purified cytokines. Vet. Immunol. Immunopathol. 114: 37-48.

*印は、equal contributor(同格第一著者)を示す

 

所属学会(役員、委員等)

  1. 日本獣医学会
  2. 日本免疫学会
  3. 日本実験動物学会

 

受賞歴

  1. 第10回井上研究奨励賞(井上科学振興財団)(1995年)

詳細は大学HPの「教員活動情報」をご覧ください